第四章(最終章) ローマの覇権

◆◆◆ ローマの王制 ◆◆◆

 リーウィウス著「ローマ建国史」は、紀元前1世紀に編纂されたローマの歴史書です。その大部分は、400年以上続いた共和制ローマの記録で、ユリウス・カエサル後のローマ帝政時代の記述はありません。紀元前8世紀から始まるとされる古代ローマ王制時代に関しては、口伝や伝説によるところも多く、7人の王の存在自体もその一部は実在していなかったという見解があります。
 ところで、王制と言えば、王から王子への世襲制を想像しがちですが、ローマの王は、百人から数百人にも及ぶ元老院貴族たちの投票によって選出されていました。その意味では、現在の王制より余程民主的と言えるでしょう。もっとも元老院が実質的な権力を握っていた時代もありましたが、自分に都合のいいように議員を選出し、支持を得ていたり、元老院に従わなかったりと様々でした。
 スペルブス王も元老院の支持なく王位に就いたとされる人物です。

 最終章を迎えたこの物語は、ローマ共和制への移行と共に完結します。

◆◆◆ 主要登場人物紹介 ◆◆◆

この章での主な登場人物です。

ファビア

●ファビア

黄金の剣の最初の所有者
本名:クラゥディア
もとヴェギアの戦士:ファビアス・マルスス。
エトルリア人。前王セルウィウスの孫。
身分を隠していたが、セクストゥスの知るところとなり、現在はプブリウスの元でヴェギアの仲間と共に活動を始めた。

ヴェレス・キプロス

●ティテュオス・メルクリウス

黄金の剣の二番目の所有者
もとヴェレス・キプロス Jr.
エトルリア人。スペルブス王の旧友ヴェレス・キプロスの養子であったが、王と戦うため、ヴェレスの名を棄て ローマより失踪した。現在行方不明となっている。

プブリウス・ヴァレリウス

●プブリウス・ヴァレリウス

現在の黄金の剣の所有者。
本名:クレオーン・グラックス
ヴェギアの主導者。ラテン人。
メディアス・ヴァレリウスの養子となり、貴族の称号を得た。
庇護民の絶大な支持を背景に市井で活動を続けている。

スペルブス王

●ルーキウス・タルクィニウス・スペルブス

ローマ第七代目王。エトルリア人。
ローマの激動期を治め、暴君と呼ばれつつもローマの繁栄を築いたローマ王制最後の王。
一部の若者には絶大の信望を持ち、ローマ拡大へ向け邁進中。

エレトゥリア

●エレトゥリア

スペルブス王の娘。エトルリア人。
幼い頃に会った少年ファビアスに恋し、ラテン人の生活に目を向けるようになった。
クラゥディアとは、姉妹なのだが、彼女の素性については、まだ知らない。

セクストゥス・タルクィニウス

●セクストゥス・タルクィニウス

スペルブス王とラヴィニアの間に生まれた第一子。
エトルリア人。
クラゥディアの素性を知る人物。

アルントゥス・タルクィニウス

●アルントゥス・タルクィニウス

第五代ローマ王の孫。スペルブス王とは、いとこ同志。
エトルリア人。
クラゥディアの実父。

トゥッリア

●トゥッリア

前王セルウィウスの娘。
エトルリア人。
クラゥディアの実母。
スペルブス王と共に現在の政治基盤を作った。


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